はるとかわ 世界の一隅日記

ハーブと、語学と、日々雑感。最近は香りが気になる今日この頃。

閉店することになったお店でパンケーキを食べて「食=埋葬」と思った話。


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今日は入社前の健康診断に行ってきました。心電図の波形が弱いみたいで、4回取り直したのですがイマイチな様子…。心臓に流れる電気を強化したくなった、はるとかわです。

今回は、ネーミングセンスの皆無で安直なタイトルが物語っているのですが、美味しくパンケーキを食べていた時に、はるとかわの脳内で流れていた話を書き留めておきます。変な事考える人もいるんだな、程度でご査収ください!

風景, 広々としました, フィールド, 牧草地, サンセット, 空

懐かしいお店…って、閉店するの?

検診が終わり、ふらふらと北上してご飯どころを探していた時のことです。一軒のなつかしいパンケーキ屋さんがふと目に入りました。以前一度だけ来たことがあったお店です。メニューを眺めて、「変わってないなあ」と思って、ふと目を上げると貼り紙が。

2月28日をもって閉店いたします。

そんなあ!と思って、ついつい入店してしまいました。色んなパンケーキの載った、覚えのあるメニューを眺めながら、前に来た時の事を思い出しました。その時は新聞広告に500円の割引券が付いていたのです。一会計につき一枚しか利用できなかったので、母と私は別々に入店し、お互いに別の席について、時々目配せしながらパンケーキを頬張っていました。タイミングを見計らってお会計を別々に済ませながら(それぞれクーポンを使いながら!)、外に出て一緒に「美味しかったね」と感想を交わし合ったものです。しょうもない思い出。でも大切な家族との思い出です。

そんな思い出の場所が、無くなる。

一抹の寂しさと共に、久々のパンケーキを味わいました。朝から何も食べていなかった分、身体に沁みる美味しさ…!

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半熟の卵のトロトロ感と、パンケーキのふわとろ感が合わさって、もうとろっとろ!カリッとしたベーコンがそこに良い食感を残しています。野菜も美味しい。こういうポテトも久しぶりだなあ。

食って埋葬と似ているのでは?

目の前にあるご馳走を食べながら、なんだか「これから失われてしまうもの」を先取りして食べているような気がしていました。(将来的な)喪失を味わっている感じ。そのうち、段々「食という埋葬」という言葉が浮かんできました。

古来、食とはそもそも死を消化する作業であった。植物の根をそぎ消失させ、動物の息の根を止めてその肉を食らう。私たちの口に入るものは死んだ肉である。胃は死んだものを消化して生命へと繋げる器官である。人間の食へのこだわりは、死という忌まわしいものからなるべく遠ざかり、文化的・社会的な文脈でコーティングするためのものであった。今では食に直接死を感じる事はめったにない。生産過程を見えなくしたり機械に担わせることで、また見た目を美しく飾る事によって、死を打ち消してきたからである。しかし、やはり食の本質は死を消化することに他ならない。フロイトの『喪とメランコリー』の中で語られていたように、喪deuilとは人の死を消化するための期間の事である。人の死を消化した後で、ようやく喪が明けるのである。胃の腑は死の埋葬場所であり、そこから新しい生命が引き出される復活(死の解体?生命の懐胎?)の場所でもある。ただの墓ではない。そこでは絶えず生産が繰り返されるのだ。食は死を埋葬する手段であり、その埋葬を通して生命を新たに組み替えることである………

こんな文面が浮かんできました。一体何考えてるんでしょう。でもまあ、食というテーマでこういう話があってもおかしくないと思います。勉強不足で恐縮なのですが、食と埋葬を繋げている本をご存知でしたら是非ご教示ください。(もしあれば…)

変わっていく街、取り残される記憶。

お会計の時にお店の人に訊いてみた所、このカフェが入っているホテルがそろそろ改修するらしく、その際このカフェのスペースをぶち抜く設計になっているから閉店せざるを得ない…とのことでした。なんとも惜しい。別の場所でまたお店を開くにしろ、”この”店舗は無くなってしまうのです。近くを通り過ぎてももう気が付かないかもしれない。通りすがりに「そういえば、あそこで…こんな事があったよね。」なんて話せるきっかけが無くなってしまうんだな、と改めて寂しくなりました。

どんどん街の風景は変わっていきます。表面上変わらない場所があっても、その中身は、そこに居る人は、そこにある集団の質は、刻々と変わっていきます。何事も留めておくことは出来ません。残されるのはその場所で生まれた記憶で、その残り香だけが蓄積されていきます。

でも、たとえ忘れてしまったとしても、着実に自分の血となり肉として息づいているのですよね。それならまあ、いっか。

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それではまた!