【メデイカルハーブ検定に出てくるハーブ⑤】セントジョーンズワート
ご覧いただきありがとうございます。
今回はメディカルハーブ検定で取り上げられる15種のハーブの中から、セントジョーンズワートを取り上げます。今まで名前だけは良く聞いていたのですが…、検定の内容に沿ってまとめてきます。
【セントジョーンズワートの名称】
(学名)Hypericum perforatum ⇒ Hypericumはギリシャ語のhyper(過度の)+ereike(荒野)が由来。perforatumはラテン語のperforo(刺し通す、貫く)による。敢えて日本語にしようとすれば、「貫く超・荒野!」という感じでしょうか。なんかすごいグイグイ来る荒野ですね。
(英語)St. John’s wort
(フランス語)Le millepertuis perforé ⇒perforéは「穴のあいた」という意味。ラテン語で貫かれ、フランス語では穴があいたのでしょう。millepertuisは、mille(千)+pertuis(穴)という構成で、葉っぱをよく見ると穴が穿たれたように見えるからだそう。
(ドイツ語)Das Echte Johanniskraut (真正ヨハネス草、といったところでしょうか…)
(中国語)貫葉連翹 guan4 ye4 lian2 qiao2、聖約翰草 sheng4 yue1 han4 cao3(←「聖約翰」で聖ヨハネ。)
和名はセイヨウオトギリソウ。
【セントジョーンズワートの特徴】
オトギリソウ科。 黄色い花が咲く。用いるのは開花時の地上部。
ヒペリシン、ハイパーフォリン、タンニン、フラボノイド配糖体を含む。
【セントジョーンズワートの効果・効能】
中世ヨーロッパでは悪魔祓いに使われていた。ネイティブアメリカンは抗炎症薬や消毒薬として使用していた。十字軍時代には傷口の治癒の為に用いられていた。
季節性感情障害や、 抑うつに対して効果がある。サンシャインサプリメントと呼ばれるくらい、暗い心に輝きを取り戻させてくれる。
チンキ剤にして、消毒や鎮痛、消炎の際に用いる。ヒペリシンという赤色色素が効く。
《安全性について》
医薬品との併用には要注意!(理由:薬物代謝酵素を誘導する作用があるため)
特に、インジナビル(抗HIV剤)、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワルファリン(血液凝固防止薬)、経口避妊薬を服用している時には注意が必要です。併用しないようにしましょう。
【セントジョーンズワートの小話】
夏至=聖ヨハネの日に黄色い花を付けるそうで、夏至の日に収穫したものが一番治癒力が高いと言われている。
因みにヒペリシンという赤い色素を含んでいるのですが、これについて洋の東西を問わずに血濡れたお話があります。西洋では、聖ヨハネがヘロデ王に首を斬られた際に飛び散った血が、この植物の葉の黒い染みになっていると言われているらしい。日本では、「オトギリソウ」のことを「弟切草」と書くのですが、これは、兄が秘密にしていた薬の内容を弟が他の人に喋ってしまって、激怒した兄が弟を切り殺してしまい、その時に飛び散った血が葉の黒い染みとなった、とのことです。(参考:wikipedia⇒ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%88%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%BD%E3%82%A6)
…こんな感じです。人の辛さを理解し、それに寄り添える強さを持ったハーブ、という感じでしょうか。
基本的にこの本に沿って勉強していますが、適宜自分で調べた情報も付け足しています。