【メディカルハーブ検定対策⑤-3】ハーブの歴史をさらっと(後編)
こんにちは!メディカルハーブ検定に向けて勉強中のはるとかわです。今回は、ハーブの歴史についてのまとめ第三弾にして最終回、19世紀以降の内容です。
メディカルハーブ検定対策の記事もこれまで色々と執筆してきましたが、このシリーズもこれで最後の記事になります!…理論的にはこれでもう…合格できるはず…。あとは知識の定着を目指すばかりです。それではいきましょう!
- 19世紀、植物療法から近代医学へ
- 発見された主な成分
- 細菌学の発展
- 20世紀、近代医学と伝統医学と。
- さいごに
19世紀、植物療法から近代医学へ
この時代、植物から有効成分を取り出した医薬品が作られるようになる。結果として、それまで中心だった植物療法から、医薬品の使用を中心とする近代医学へと舵が切られることになる。
因みに日本では、1883年に医師免許法が成立。新たに開業する医師には西洋医学の知識が求められることになり、それまで主流だった漢方から西洋医学への転換を示すものである。
発見された主な成分
最初は植物から抽出された純粋な成分、後にはその成分を科学的に精製した成分が発見されるようになる。
・サリシン
1829年、ピエール=ジョゼフ・ルルー(Pierre-Joseph Leroux, 1795-1870)によって、セイヨウシロヤナギやメドースイート(セイヨウナツユキソウ)から分離された成分。化学的にはアスピリンと近く、鎮痛作用や抗炎症作用がある。
・コカイン
アルベルト・ニーマン(Albert Niemann, 1834-1861)によってコカの葉より抽出され、1860年に命名された成分。当初は依存性について知られず、麻酔薬として用いられていた。
本当はアセチルサリチル酸と言う。ドイツのバイエル社がサリシンからの化学的合成に成功し、1899年から「アスピリン」の名前で売り出した。
細菌学の発展
・ロベルト・コッホ(Robert Koch, 1843-1910)
炭疽菌、結核菌、コレラ菌の発見者。ツベルクリンを創製し、結核の治療目的に使用したものの効果は出ず。現在では結核の感染有無を調べるために使われている。
・ルイ・パスツール(Louis Pasteur, 1822-1895)
狂犬病のワクチンを開発した人。微生物や発酵について詳しく、牛乳などに用いられる低温殺菌法の創製者。低温殺菌法はフランス語でPasteurisation(パスツーリザシォン)=パスツール化する、という単語になっている…!
続きを読む【メディカルハーブ検定対策⑤-2】ハーブの歴史をさらっと(中編)
こんにちは!はるとかわです。今回はメディカルハーブ検定に出てくる「ハーブの歴史」の中から、中世から近世の内容についてまとめてみます。
※ハーブの歴史〈古代編〉はこちら↓
それではいきましょう!
- イブン・シーナー(980-1037)
- 大航海時代
- イギリスのハーバリスト
- ウィリアム・ターナー(William Turner, 1508-1568)
- ジョン・ジェラード(John Gerard, 1545-1611 or 1612)
- ジョン・パーキンソン(1567-1650)
- ニコラス・カルペパー(Nicholas Culpeper, 1616-1654)
- まとめ
イブン・シーナー(980-1037)
10世紀のペルシャの医者、哲学者。ラテン語名Avicenna(アヴィケンナ、アヴィセンナ)でも知られる。ガレノスの医学やアリストテレスの哲学に影響を受けた思想を残す。代表作は『医学典範』。錬金術の実験中、精油とパラ水を分離することに成功。植物から精油を抽出する蒸留法を確立し、現在のアロマテラピーの基礎を築いた人。
続きを読む【メディカルハーブ検定対策⑤-1】ハーブの歴史をさらっと(前編)
ご覧いただきありがとうございます。今回はメディカルハーブ検定対策第五弾です。第一弾の執筆当初は「全5回です!」と言っていたのですが、歴史の話になると結構色々とボリュームがあるので、ハーブの歴史については3回に分けてメモしていきます。今回は、ハーブと医学の歴史〈古代編〉です。
古代~中世まで
古代文明におけるハーブ
・古代エジプト:B.C.1700年頃に書かれたパピルス文書『エーベルス・パピルス』には約700種類のハーブが記録されている。アロエ・ジュニパー・ガーリックなど。うがい薬や湿布として使われていたようである。
・古代インド:インドの伝統医学と言えば、アーユルヴェーダ。人の体質をヴァータ・カパ・ピッタの三種に分類し、それぞれのバランスを取ろうとするもの。B.C.1100年ごろには現在の形に編纂されたという書物『リグ・ヴェーダ』には、数百の薬草について記されている。
・アラビア語圏:ユナニ医学が発達。古代ギリシャの医学を基にした医学で、Yunaniは「ギリシャの」という意味。
・古代中国:中医学が発達。中心にあるのは五行論と陰陽論。身体を作る要素は気・血・水の三種類と考える。
※アーユルヴェーダ、ユナニ医学、中医学の三つは世界の三大伝統医学と呼ばれている。
古代インドの医学
アーユルヴェーダでは、人体をトリ・ドーシャ(三つのドーシャ=体液、病素)のバランスの観点から考える。ヴァータは風、運動エネルギーを意味し、ピッタは熱や変換エネルギー、カパは粘液や結合エネルギーを表す。それぞれ、どのドーシャが優位なのかは人によって異なる。またドーシャのバランスが崩れが体の不調の原因となる。
古代ギリシャの医学
薬草の効能や使用方法が系統立ってくる。特に有名なのがヒポクラテス。彼は、それまで迷信的に用いられていた薬草を、臨床的な経験に基づいて使用する、いわば科学的な医学を創始した人物であるため、「医学の父」「疫学の祖」と呼ばれている。400種ほどの薬草を処方した。「体液病理説」を唱えた人物で、これは人間には血液・黒胆汁・黄胆汁・粘液の四つの体液が流れており、このバランスの崩れが体調の不調を招くとする考え方。
ヒポクラテスの名言:Ars longa, vita brevis.(アースル ロンガ ウィータ ブレヴィス)「技術は長く、人生は短し。」→医術などの技術の習得には時間がかかる。それに比べて人生は短いので、無駄にする時間はない!」
一方で、テオプラストスは『植物誌』を記し、「植物学の祖」と呼ばれている。因みにこの人、アリストテレスの友達で、テオプラストスという名前はアリストテレスが付けたニックネーム。神(テオス)のように語る(プラストス)らしい。
古代中国の医学
中心となるのは陰陽五行説の考え方。陰陽説とは、全てのものには陰と陽があり、それらは絶えず巡り合い循環しているという考え方のこと。五行説は、火・水・土・金・木の五つの要素で世界は成り立っているとするもの。この要素のバランスを見ながら心身の調子を整えていく。
『神農本草経』(神农本草经、shen2 nong2 ben3 cao3 jing1):A.D.300年頃に成立した、中国最古の薬物書。365の薬草を毒性の強弱に応じた三つのカテゴリーに分けている。これが基になって今の漢方がある。
古代ローマの医学
二人の代表的な医師がいる。一人はペダニウス・ディオスコリデス(40年頃ー90年)。ローマ皇帝ネロの従軍医を務めていた。『薬物誌』(De Materia Medica libriquinque)の著者で「薬学の祖」と呼ばれているが、これには薬草の効能が記されており、以降16世紀まで医学の基本書となった。約1000種の薬草について述べている。
もう一人はガレノス(129年頃ー200年)。ヒポクラテスを尊敬していた外科医。初めてコールドクリームを作った人。500以上のハーブを使って水薬を作った。彼のハーブの調剤法は「ガレノス製剤」として今にも伝わっている。因みにこの人、生きた動物を使った臨床実験を多く行っている。
まとめ
アーユルヴェーダでは三体液説、ヒポクラテス・ユナニ医学では四体液説、中医学では五行説(ほぼ五体液説に相当する概念)。言語もそうですが、世界をどう切り取って分けていくのかにそれぞれの地域差が出ていて面白いなと思いました。
また、伝統的な医学の場合、基本的には体内の諸要素のバランスを取ろうとする意識が中心となっていますね。
勉強のお供の本は、主にこれです。個人的に色々と調べて付け足しています。
続きはまた今度。それではまた!
【メディカルハーブ検定対策④】症状別ハーブの処方箋
こんにちは!ハーブについて勉強している、はるとかわです。今回はメデイカルハーブ検定対策第四弾です。ここでは、具体的な症状に対してどのハーブがオススメなのか、メデイカルハーブ検定の内容に沿ってまとめていきます。
※前回のメデイカルハーブ検定対策第第三弾はこちら↓
- 消化器系の症状
- ①胃腸の調子が悪い!→吐き気、下痢、腹部不快感
- ②便秘が辛い!
- 精神的な症状
- ①眠れないし落ち込む…
- ②不安がたっぷり…/緊張する…
- アレルギー症状
- ①花粉症が辛い!
- ②アトピーや湿疹がかゆい!
- 女性特有の症状
- スキンケアのために
- ①シミが気になる…
- ②シワやたるみがね…
- ③肌荒れが…!
- その他の症状
- 痩せやすい体質に!
- 肩こりや腰痛が…!
- 目が疲れた!
- 風邪気味…
- 疲労が慢性化しております
- 二日酔いでぐわんぐわん
- 軽程度の外傷のある場合
- スポーツ前に
- お口をさわやかに!
- まとめ
消化器系の症状
①胃腸の調子が悪い!→吐き気、下痢、腹部不快感
〈原因〉精神的なストレスが影響しやすい。不安や心配があると、交感神経が優位になる事から、消化機能が抑制される。一方でリラックスしている時には副交感神経が優位になるため、消化が促進される。
〈おすすめハーブ〉
・ペパーミント:お腹全体に良いハーブ。食後にハーブティーをゆっくり飲むと良い。足やお腹に温湿布をするのもオススメ。
・ジャーマンカモミール:「植物のお医者様」との呼び名もあるらしい。駆風作用があるのでガスを排出してくれるほか、消炎作用や、リラックス効果も期待できる。食後にゆっくりハーブティーを飲む。もしくは、消炎作用を期待するなら空腹時に飲むべし。
②便秘が辛い!
〈おすすめハーブ〉ダンデライオン、ハイビスカス、ローズヒップ、ペパーミント
緩下作用のあるハーブ。因みに個人的にはダンデライオンが一番効く。
※下痢と便秘を繰り返してしまう過敏性腸症候群の場合、鎮痙作用のあるペパーミントの温湿布がおすすめ。あとはお腹を優しく、ゆっくり時計回りに円を描くようにマッサージしてあげるのも良し。お大事にしてください。
続きを読む【メディカルハーブ検定対策③】ハーブの利用方法
こんにちは!ゆるくハーブについて勉強中のはるとかわです。今回はメデイカルハーブ検定対策第三弾です。ハーブの利用方法について、ざっと見ていきたいと思います。
- 【ハーブの選び方】
- 【諸注意】
- 使用上の注意
- 保存上の注意
- 【ハーブの使い方:基材について】
- 基材の例
- 水
- アルコール
- 植物油
- ミツロウ
- グリセリン
- クレイ
- 基材の例
- 【ハーブの使い方:実践編】
【ハーブの選び方】
・食用ハーブを選ぶ:中にはポプリ用など、雑貨扱いのものもある。添加物や残留農薬が気になるので、やはり食べても安全なものを選びたい。
・色や香りが良いものを選ぶ:特に色素があるものは、しっかり色がついているものを選ぼう。
・少量ずつ手に入れる:新鮮なものを使おう。
・使用部位に注意。
続きを読む【メディカルハーブ検定対策②】ハーブの作用について
こんにちは!今回はメデイカルハーブ検定対策の第二弾として、ハーブの作用についてまとめていきます。メデイカルハーブ検定では15種類のハーブのみ取り上げるため、今回もこの15種のハーブの作用の例を中心に見ていきたいと思います。
それでは行きましょう!
- 【ハーブの代表的な働き】
- 【ハーブの主な作用】
- 《器官系への作用》
- 《修復・保護作用》
- 《精神・神経系への作用》
- 《デトックス・活性作用》
- 《皮膚・筋肉への作用》
- 《その他》
- 【植物化学成分について】
- 【植物化学成分の作用の仕方】
- ①相乗効果(Synergy effect)
- ②心と体に同時に作用する
- ③矛盾する作用
- 【植物化学成分の生成】
- 【その他補足情報 】
【ハーブの代表的な働き】
①栄養素の補給:体内では作れない栄養素を補える。(ビタミン・ミネラル・食物繊維・必須脂肪酸etc)
②薬理作用:まるでお薬みたいな作用。次の項で詳しく見ていきます。
③生体防御機能調整作用:自律神経系・内分泌系・免疫系に働きかけ、心身のバランスを整える働きのこと。ex)鎮静作用、ホルモン分泌調節作用、免疫賦活作用。
④抗酸化作用:細胞の老化を抑える。
⑤抗菌・抗ウイルス作用:細菌やウイルスの繁殖を抑える。
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メディカルハーブ検定に申し込んでみた(学生編)
ご覧いただきありがとうございます。ハーブについて勉強中の、はるとかわです。今回は、メディカルハーブ検定に申し込んでみたので、そのことをまとめておきたいと思います。学生の方が絶対オトクに申し込めるので、ハーブに興味のある学生さんには是非参考にしてください!
- 【メディカルハーブ検定とは】
- 【申し込んだ動機】
- ①初心者でも受験できる
- ②オンラインで受験できる
- ③学割がきく!
- 【申し込んでみた:「学生プログラムへのアカウント登録」】
- 自動的に割引価格になっている
- 【申し込み完了!】
- 【まとめ】
【メディカルハーブ検定とは】
特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会(Japan Medical Herb Association、JAMHA)、が主催している検定です。
検定料は、一般が6600円、学生が4620円です。合格した後、JAMHAの会員になると「メディカルハーブコーディネーター」の資格が得られます。因みに年会費は4月~9月の入会で8000円(一年間有効)、10月~3月入会だと4000円(半年有効)になります。学生の場合、合格したあとの年会費は無料になります!
年2回、全国10会場で行われているそうですが、昨今の状況を鑑みてオンライン受験が可能です。
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