はるとかわ 世界の一隅日記

ハーブと、語学と、日々雑感。最近は香りが気になる今日この頃。

Devilman crybaby 鑑賞日記


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数多くの人々の心に消えないトラウマを植え付けたことで有名な傑作漫画、デビルマン。このリメイクアニメをNetflixで観てみました。というよりも、これを観るためにネトフリに入りました。見たかった理由は単純、女王蜂のアヴちゃんがデビルマンの歌を歌っているからです。それにしてもこんな理由でネトフリを始める人間もいるものか…ハハっ

大人向けカテゴリーに分類されていますし、残酷な内容が多分に含まれているので、観る人を選ぶアニメです。グロテスクなものが苦手な人にはまずお勧めしない。見ないでください。私は、予めどういうシーンがトラウマ級なのか承知していましたし、大体の話の流れは把握してから鑑賞しました。なので、心はある程度守りながら観れたわけです。事前準備があるのと無いのとでは、大違い。

以下、観終わった直後に書いた鑑賞メモになります。そんなにネタバレは多くないつもりです。

 観てテンションが上がったのは

・アヴちゃんがデビルマンの歌だけでなく、作中の人物の声もあててた!

・作中に出てくるラッパーのクレジットを見ると、KEN THE 390とか般若とか木村昴AFRA、YOUNG DAISとか、本物のラッパーじゃねえか…!

といった、出演陣の豪華さです。良かった良かった。

途中までは結構中だるみというか、ゆったり進んでいる感じはありました。それが8話くらいからグイっと緊張感が高まったきた。内容については色々突っ込みどころが満載です。いやいや、そんな怪しいカメラマンについていくなよ…とか、人の家でホイホイシャワー借りるなよ…とか。でも、ついついそういった方向に進んでしまう動機が心の中にある人間を描いているのだし、一方で何の暗い意図も無い、純粋でいる人間も描いている。でも大体は、不純な人間の方が多く描かれている。けどそうじゃない人もいる。どうしようね、人間。という感じ。また、画面の切り取り方=何を映すのか、そのカメラによる場面の切り取り方によって、鑑賞者もこの問いに巻き込まれていきます。だって「別にここで女の子のお尻をドアップにしなくても…」みたいなシーンが結構あるんですもの。さりげなく、でも性的な視線を共有させられる鑑賞者も、ひょっとしたら作中に出てくるしょうもない人たちと同じなのかもしれない。どきっ。(こうした明白な意図を持った編集の仕方は、他のアニメ作品とは違って、ちゃんとメッセージ性がある。別に性的なものとして画を消費するだけに留まらず、そういう自分の態度を内省させるところまで持っていけるメッセージがある。ので、このアニメは良いと思う。ただ消費するんじゃなくて、考えたい人にはおすすめ。)

というか、神と悪魔との闘いに巻き込まれる人間…そうやって踊らされている事に気づかずに攻撃し合う人間…。人間世界の卑小さを感じました。

度々出てくる円のイメージが印象的です。円って、「どちらでもある」という全体性を意味しているのかなと思いました。最初の方の話ではよく、主人公が悪魔たちを文字通り真っ二つにしてやっつけます。悪/正義の二項対立が顕著なのです。だから、真っ二つに分けることが出来る。一方で、話が進むにつれてその二項対立が揺らいでくる。悪魔も真っ二つに出来なくなってくる。そもそもこんな簡単な原則は成立しなくなってくる。お互いに混ざり合って来て、どっちがどっちかわからなくなってくる。あるのは円。色々とごちゃごちゃになって混在している全体。そんな感じがしました。

人間の弱さは、迫害にもつながるし、優しさにもつながる。両極端の方向に繋がっていく。迫害の方に行ってしまうと、世界はどんどん分割されて、バラバラになって、生きていくための繋がりが無くなってしまって、消滅する。強者は一見勝つように思えますが、大局で見ると消滅ルートを辿っている事には変わらない。一方で優しさは希望です。でも、そのままだったら弱い。(優しすぎて、色んなものを守るために強くならなきゃいけない点、これは東京喰種にも響いてくるなあ。画集でこのアニメの名を挙げてたのにも納得。)

主人公が泣き虫なのが良いなあ。涙は弱さの象徴。主人公が普通の人であった時も、デビルマンになってしまった時も、同じように人のために泣く。こうやって強い状態になっても泣けるのって、強くありながら泣けるのって、結構すごいことなのかもしれない。

どうしようね、人間。という問いが、人の弱さから描かれている作品だなと感じました。原作履修したい…。